清濁思龍の雑話録

遁世と修道

日本人としてのアイデンティティ

 

今週はお出かけもせず、ずっとnoteの有料記事を書いてました。本当はキャンプに行きたかったのですが、このままでは日本がヤバいという危機感が強過ぎて、記事書きを優先せずには居られなかったのです。

TVニュースでも報道されましたが、2024年2月28日に不法滞在外国人の在留ガイドラインの見直し案が提出されました。しかし、その内容は酷いもので、ザル法骨抜き法案と言われても仕方がない内容です。

要するに、日本政府は西側諸国の移民受け入れ政策が失敗したのを知りながら、一周遅れで追従しているのです。これは我が国に政治の決定権が無い事を意味しており、いわゆる国際協調とは全く次元が異なります。

 

西側諸国の価値観はキリスト教がベースになっていますが、現在のキリスト教キリスト教神学(以下、神学)が中心になっていて、そこから人権や人道主義といった価値観が生まれています。

神学はイエスの教えそのものではなく、仏教に例えるなら大乗仏教のような立ち位置です。しかし、覚者の結集によって成立した大乗仏教とは違って、神学は悟った人が体系化した学問ではありません。

神学は解釈に解釈を継ぎ足すだけの学問なので、国際社会を正しい方向に導く事などは到底出来ません。それなのに、キリスト教従は国連を介して世界各国の政治に口を出し、不要な混乱を招いています。

 

日本政府は西側と協調する事で、国連での地位を高めたいのでしょうけど、残念ながらその試みは上手く行きません。日本は第二次世界大戦の敗戦国であり、軍隊を持たない国なので、戦勝国が好きに使えるATMにしかなれないのです。

ただでさえ国連での地位が低いのに、協調性も無いとなれば、地位向上など不可能です。故・安倍晋三氏は国際社会で存在感を示していましたが、現在は力量ある政治家が居らず、外圧に屈するしかない状況です。

この状況で、力を背景にディール(取引)を吹っかけてくるトランプ氏が大統領に再選されれば、取引が下手な我が国は危機的な状況に陥ります。唯一の希望は、少しづつ「西側の価値観は絶対ではない」と気づく人が増えている事です。

 

フィリピン16代大統領のロドリゴ・ドゥテルテ氏は、超法規的殺人指令によって麻薬犯罪組織を撲滅しました。氏はその際、人道主義を完全に無視していた為、西側から処刑人と激しく非難されています。

中米の小国・エルサルバドルでは、ナジブ・ブケレ大統領が強権的な手段でギャングを取り締まり、治安回復を成し遂げました。西側からは批判されましたが、ブケレ大統領は「あなたたちの言うとおりにしても、平和にはならなかった」と反論しています。

フィリピンとエルサルバドルは国家の危機だったのに、西側は自分達の価値観(というか理想論)の押し付けに終始していました。しかも民主的に選ばれて、キチンと結果を出した大統領を独裁者と罵りながら・・・。

 

西側諸国の傲慢さかましは、神学に端を発しています。国内にも西側の価値観に影響された人が大勢居て、日々メディアで低劣な人間性をさらけ出しながら、自国民のマインドコントロールに勤しんでいます。

マルクス主義者や、国粋主義者も大概ですが、幸いな事に衰退勢力に成り始めているので、そのうち何処かに吸収され、消えて無くなると思います。それよりも、日本人としてのアイデンティティになり得る思想や宗教が無い事の方が問題です。

明治政府は天皇を頂点とする国家神道を打ち出しましたが、結果だけ見れば大失敗です。神社神道では国民を纏められませんし、外来の宗教である仏教は論外です。これでは神学ベースの人権主義や、人道主義に対抗できません。

 

日本古来の「和の思想」に磨きをかければ、新たな精神的支柱になる可能性は十分にあります。しかし、世界的には美徳を弱さと見る野蛮な国の方が多いので、少々危険な賭けになるかも知れません。

現在の幼稚な個人主義を中心とした雑多な思想、雑多な宗教のままで行けば、いくらもしない内に我が国は滅びます。何故なら、全然纏まりの無い国を侵略するのは、とても簡単だからです。

因みに、自国を守ろうとしなかった人間は、外国に逃げても裏切者として扱われます。日本が植民地になっても構わない、命さえあれば良いと考える人も居ますが、チベットウイグルの惨状を見れば、国を奪われた民の辛苦が分かる筈です。

 

国や民族のアイデンティティに関する問題は、ちょっとやそっとでは解決しません。とりあえず今しなければならないのは、国民ひとりひとりが知的レベルを上げる事ですが、その前に必ず各種マインドコントロールの解除をしなければなりません。

何故なら、この過程をすっ飛ばすと、己の認知の歪みを正す事が出来ず、結論ありきでものを言う愚者にしかなれないからです。