清濁思龍の雑話録

遁世と修道

父性無き社会における、新しい生存戦略

前回、父性についての話をしました。父性と母性は精神性の両輪であり、人としての成長に必要不可欠な要素です。しかし、今の日本社会は母性に偏り過ぎている為、精神的なバランスが悪い人が増えています。

国民の精神バランスの悪さは政治の影響であり、本来ならもっと後で説明するべき事ですが、アメリカのマインドコントロールが強烈過ぎて、少しでも解除してからでないと話にならないのです。

アメリカはキリスト教国であり、その価値観を他国に平気で押し付けてきます。キリスト教は一夫一妻制を神の教えと説き、結婚生活に真実の愛や、至高のエロスを求めます。でも、古来より日本文化は性に大らかであり、夜這いや乱交が一般的でした。

 

キリスト教(特にカトリック)は純潔や清純さを尊ぶ傾向が強い為、夜這いや乱交など認めませんし、薔薇や百合は以ての外です。1960年代に始まった性の解放運動はLGBTQ運動に引き継がれましたが、一夫一妻制を否定するものではありません。

性の解放が始まったのは、オーストリアの心理学者ジークムント・フロイトの理論が世に出てからです。フロイトが生きた時代は性的抑圧が酷く、人々のメンタルを改善するには性の解放が必須だったのです。

人間は個体としては脆弱なので、本能的に群れを作りたがります。しかし、群れの中で一夫一婦制を維持するのは難しく、生存だけを考えるなら、強いオスを頂点とする一夫多妻制の方が理に適っています。

 

人間のオスは一人のメスだけでは満足出来ず、複数のメスと交わりたがりますが、キリスト教はその生殖本能を否定します。本能を自らの意思で抑制すれば、周囲に高潔さと優秀さをアピール出来ますが、その代償として深層心理に歪みが出ます。

メスは本能的に強いオスを求め、その子供を産む事で自らの地位を確立しようとします。その際、一夫一妻制のワンオペ育児より、一夫多妻制で他の妻達と協力し合う方が子育ては楽です。

子育てが大変だと出生率は低下しますし、子育てが楽なら出生率は上がります。昔の農村だと、子供を産めない女性は家から追い出されましたが、一夫多妻制の家庭なら、率先して家事をこなしたり、他の妻の子の世話をすれば追い出されたりはしません。

 

ただ、一夫多妻制には男性が余るという問題があるので、いっそ多夫多妻制を認めてみるのも良いでしょう。世界的に見れば多夫多妻制の国は極少数ですが、個人的には自由恋愛の行き着く先は多夫多妻だと思っています。

自由恋愛は子供を作らずに出会いと別れを繰り返し、最後に一人を選びます。お付き合いの最中に他の異性と交際すると二股交際となり、結婚後は不倫という不貞行為になってしまいます。

しかし、離婚しても前の結婚相手との関係が良好なら、新しい結婚相手と協力して集団生活を営めるのではないでしょうか。実際、離婚や再婚が多いフランスでは、子連れの複合家族(ステップ・ファミリー)が珍しくないそうです。

 

核家族化が進んだ日本では、結婚して子供を産んでも頼れるのは実親だけです。「保育園落ちた、日本死ね!」と国家を呪う人が出て来たのは、実親の他に頼れる人が居なかったからです。

しかし、ステップ・ファミリーという新しい家族形態を受け入れれば、育児のストレスは軽減し、必要以上に離婚を恐れる事も無くなります。日本はキリスト教国ではないのですから、聖母マリアに由来する純潔という概念に振り回されずとも良いのです。

むしろ自由恋愛と称して何人もの女性をヤリ捨てたり、見栄から早く処女を捨てたがる人の方が問題です。これは自他の性を雑に扱っているだけですし、交際相手を大切に出来ない人間が、自分の子供を大切に出来る訳もありません。

 

未熟な人間は崩壊した家庭しか作れませんし、崩壊した家庭に生まれ育った人間は子供の愛し方が分からないので、毒親化する可能性が高いです。そして毒親を持った子供は愛情飢餓感に苦しみ、社会全体を呪うようになります。

例え孤児院育ちであっても、信頼関係の温もりを知る人は、破壊衝動に身を任せたりはしません。しかし、一夫一妻制だと、親ガチャでハズレを引いたら進学と就職が絶望的となり、底辺から這い上がれない暗黒の未来が確定します。

ホスト狂いの恋愛詐欺師「頂き女子りりちゃん」毒親持ちですし、売春によって学費や生活費などを稼ぐパパ活女子毒親持ちが多いと聞きます。彼女らは父性と母性を知らず、真っ当な大人から正しい処世術を教わる機会も無かったのです。

 

左派が理想とする父性無き社会は、モラルが育たず、不定形なカオスにしかならない事が実証されつつあります。また、一夫一妻制には核家族化を促進させ、毒親が支配する閉鎖的な家庭を量産する負の側面がある事も分かってきました。

恐らく、今後は生存戦略の一環として、自分達で新しい群れの形を作れるか否かが問われる社会になっていくと思います。実際、私自身も茶柱さんとのルームシェアを継続していますし、山奥ニート・リスペクトのシェアハウス事業も増えてきました。

もちろん一夫一妻制で幸せになれる人は、それでOKです。選択肢が増えること自体は良い事なので、固定観念にとらわれず、あらゆる可能性を試してみるべきだと思います。

 

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