前回、出産・育児を終えた(もしくは諦めた)女性なら、心から信頼する男性リーダーから派生元の霊団に帰還する方法を教われば、共に「かむあがり」する事を考える可能性は高いと言いました。
その際、男性リーダーが自己という存在の派生元、言わば「魂のルーツ」を知れば「かむあがり」をし易くなりますし、霊団の女性縁者に説明し、説得するのも楽になります。
自らが所属する霊団を知るのは困難ですが、不可能ではありません。己の人生で為すべきを成せば、霊団の派生元の方から接触を試みてきます。実力のある霊能者にお金を払って教えてもらうという手もありますが、本物を探すのが大変です。
ただ、派生元の霊団を知らなくても、「かむあがり」自体は可能です。例えば、神道では死者の御霊(みたま)は修行を積んで神となり、やがて先祖の霊の集合体である「祖霊(それい)」と一つになると言い伝えられています。
つまり、神道では霊団(グループソウル)を、祖霊と呼んでいる訳です。また、浄土系の仏教では、死後は極楽浄土に行くと説いていますが、実はこれも「かむあがり」の亜種だったりします。
極楽浄土の正体は、人の信仰心が生みだした「新しい霊団」です。我々人類には「生命」と「群れ」を生み出す力が備わっているので、自分でも気づかないうちに、こういったものを生み出している事があるのです。
しかし、無意識に生み出した霊団は飽くまでも「仮の宿」みたいなもので、派生元の霊団のように合一化し、輪廻転生から解脱する事は出来ません。極楽浄土を信仰する人が減り過ぎたり、信仰の形が変化する事でも「仮の宿」を維持できなくなります。
確固たるイメージと、それを形にして、維持し続けるだけのエネルギー源があれば、たった一人でも「仮の宿」を作る事が出来ます。例えは悪いですが、死後に「人造神・バモイドオキ」と一体化して、一時的に輪廻転生を止める事も出来なくはないのです。
ただ、霊団の派生元とは違って、バモイドオキ神は「個我」を持たない不安定な存在なので、ちょっとした事で簡単に生滅を繰り返し、再び輪廻転生の輪に戻されます。これでは「かむあがり」とは言えません。
我々は新しい霊団(New frock)を派生させる事は出来ますが、自分達より高次・上位の存在となる「個我無き不滅の生命体」は作れません。つまり、自分の群れや子供は作れても、帰還元となる自分の親を生み出す事は出来ないという事です。
余談ですが、人間とは肉体からなる重層的身体をエネルギー発生源とし、自我と呼ばれる霊的素材によって意識を包み、記憶によって自我を持続・定着させている存在です。この仕組み自体は、如何なる高次生命体も同じです。
肉体は他のエネルギー源に置き換える事が可能なので、中国仙道では「氣」を練って作り上げた陽神(ようしん)と肉体を同化させ、自己を「自我を持つ不滅の生命体」に作り替えようとします。
悟りの場合は、肉体と記憶を維持したまま、自我だけが崩壊し、意識が世界に開放されます。その結果、自己と宇宙の同一化がなされて、肉体の死後は永遠に個我を意識する事が無くなります。
通常の死は、肉体の機能停止により、自我と記憶を固着させるエネルギーが確保できなくなります。死者の自我と記憶は、地球の「管理システム」が勝手に処理する為、どう扱われているかは知る由もありません。